- 公開日2022/11/16
- 最終更新日2022/11/16
中学受験に向けた理科の勉強法とは?偏差値アップのコツも解説
「中学受験に向けて子どもに理科の勉強をさせたいけれど、どうしたら良いの?」
「中学受験の理科の出題傾向は?」
「理科の勉強におすすめな参考書はなに?」
このように、中学受験の理科の勉強について、疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、中学受験に向けた理科の勉強法や偏差値アップのコツ、中学受験における理科の出題傾向、おすすめの参考書を紹介しています。
この記事を読むことで、中学受験に向けた理科の勉強法が理解でき、家庭学習に役立つでしょう。中学受験を控えた子どもをお持ちの人はぜひ、この記事を参考にしてください。
中学受験の理科の特徴とは?
中学受験の理科は、基本的に小学校で学習したカリキュラムをベースに問題が作成されます。しかし、出題方法は各中学校にゆだねられているため、これまで見たことがない問題や解いたことがない問題が出題されることも少なくありません。
見たことがない問題が出てきても、小学校で習った知識を駆使すれば、解くことが可能なため、子どもが焦らないように意識づけしておくことが必要でしょう。
また、中学受験の理科は、大問の下に小問、さらにその下に関連した問題が出される枝問が多いという特徴もあります。枝問は、誘導型のものが多く、順番に解いていくことで、答えを出すことが可能です。
知識があれば、全ての問題を解くも可能であるため、他の受験生と差がつかないように、基礎をしっかり身につけさせておくことが大切でしょう。
中学受験における理科の出題傾向
中学受験における理科は、小学校で学習する物理・化学・生物・地学の各分野から満遍なく出題されると言われています。不得意分野を作らないように、偏りなく全ての分野を学習することが、高得点を取るためのポイントでしょう。
また最近は、小学校の学習で触れることがない現象や考え方の長文の問題をしっかり読み、掲載されたグラフや表を使って解いていく問題が増加傾向にあります。知識力ではなく、思考力を問われる内容となっているでしょう。
このほか、カラー写真を用いた問題も増えています。文字で単純に用語を覚えたり、知識を詰め込んだりするだけでは、中学受験の理科には対応できないようになっているため、注意しましょう。
中学受験における理科の勉強で陥りやすい失敗
参考書を読んだあと演習問題をしていない
参考書を読んで覚えるだけでは知識は定着しにくいでしょう。覚えたことを実践で使うことで、はじめて知識は定着させることができ、自分のものになります。
そのため、参考書を読んだあとに演習問題をしていないことは、中学受験における理科の勉強で陥りやすい失敗パターンの一つといえます。
参考書を読んだ直後は、覚えた気になっている人が少なくありません。しかし、覚えるだけでは、1週間、2週間と時間が経ってしまうと、いつの間にか忘れてしまっています。忘れた部分を思い出すために、参考書を再び読み返すことは、非常にもったいないです。
中学受験における理科の勉強では、参考書を読み、演習問題を解くまでをセットにして、知識をいつでも思い出せる状態にしておくことが必要でしょう。
解答や解説を読んだあと解き直しをしていない
間違えた問題があった場合、解答や解説を読んだあと解きなおしをしていない人も多いと思います。
前述したように、解説などを読んだだけでは、知識を定着せることは難しいでしょう。知識を定着させるためには、インプットを行ったあと、アウトプットすることが必要です。
間違った問題があった場合、インプットするために解答や解説を読んで理解したあと、アウトプットとして解き直しをすることが大切です。
解き直しをしてみて、スラスラと解くことができれば問題ありませんが、途中で詰まるなどする場合には、解答や解説を読み理解できるようにすることが大切です。
解答や解説を読んだあと解き直しをするまでをセットにして、知識を定着させるようにしましょう。
いきなり演習問題に取り組んでいる
知識のアウトプットをせずに、インプットばかりもいけませんが、インプットを飛ばしてアウトプットばかりすることも間違った勉強法です。
ですから、知識を覚えるための参考書を読むことをせずに、いきなり演習問題を解く行為は、中学受験における理科の勉強で失敗に陥りやすいパターンです。
知識が頭の中にない状態で演習問題を解いても、知識は定着しません。問題を間違っても分析することができず、理解できていない状態が続いて受験で失敗してしまう恐れがあります。
効率よく時間を使うためにも、まずは参考書を読むなどして、知識のインプットを行い、演習問題でアウトプットするようにしましょう。知識定着のために、インプット、アウトプットの順番を意識させてください。
全て暗記しようとしている
中学受験を予定している子どもをお持ちの保護者の中には、理科は暗記科目だというイメージを持っている人も多いでしょう。そのため、中学受験に向けた理科の勉強法として、参考書を読んで、全てを暗記させようとする人も多いです。
中学受験における理科は暗記でカバーできる単元もありますが、暗記するだけでは対応できない単元も多くあります。暗記に頼って中学受験の理科を乗り切ろうとすると、応用が利かず、途中でつまずいて、失敗してしまう可能性が高いです。
全てを暗記するのではなく、なぜその公式を使うと解けるのか、仕組みを理解させることが大切です。
その仕組みを理解するためには、目的意識を持って能動的に授業を受ける必要があります。
中学受験における理科の勉強を成功させるコツ
図と文章を合わせて覚える
理科の受験勉強は、文章を読んで丸暗記して覚えるよりも、図を組み合わせながら頭に入れていく方が、覚えやすいです。
文章だけでは、原理や現象の全てを理解することは難しいですが、図を組み合わせることで、理解しやすくなります。図が多く掲載されている参考書を選ぶなどの工夫するといいです。
また、図は見るだけでなく、描くことも有効だと言われています。ノートに自分が分かりやすいように図を描いていくことで、より一層、理解を深めることができるでしょう。
さらに、知識の定着を確かなものにするためには、動画サイトの活用がおすすめです。実験の動画を見ることで、参考書を読むよりも印象に残り、知識として定着することができるでしょう。
テーマごとに勉強法を変える
受験に向けて、時間をかけて丁寧に勉強をしたとしても、勉強法を間違ってしまうと意味がありません。中学受験における理科の勉強を成功させるためには、テーマごとに勉強法を変えることがコツです。
中学受験における理科には、テーマごとに正しい勉強法というものがあります。各テーマを正しい勉強法で取り組んでいかないと、実力を身につけることは難しいでしょう。
前述したように、中学受験の理科の範囲は広く、物理・化学・生物・地学から満遍なく、出題されます。全てのテーマを理解し解けるようにしておかないと、大きく得点を落としかねません。
理科は、受験ギリギリまで実力をつけることができるため、テーマごとに正しい勉強法で学習し続けましょう。
【物理】中学受験勉強法
音・光・熱・電気・てんびん・ばね・輪軸・てこ・滑車が、中学受験の物理のおもな出題範囲となっています。
物理は、出題範囲が広く、暗記しても解ける問題が少ないテーマです。原理を理解しておかないと、解くことが難しい問題が多いと言われています。物理の原理を理解し使うことができるようにするためには、演習問題を多く解くことがポイントです。
原理や公式を知っているだけでなく、使い方を理解することも必要です。演習問題をたくさん解くことが、原理や公式の使い方を理解するための近道であり、確実な方法でしょう。
また、なるべく早く正確に計算できるようになることも、物理では大切なことです。原理を理解していても、計算ミスしてしまうと、これまでの努力が無駄になってしまいます。
早く正確に計算できるようになるためには、やはり、演習問題をたくさん解いて、アウトプットすることが重要です。
さらに、輪軸・てこ・滑車などの力学については、図を用いて問題を解くことを意識しましょう。受験対策として演習問題を解く時に、子どもが自分で図を整理して、解くことができるようにしておいてください。
【化学】中学受験勉強法
中学受験の化学の出題範囲は、体積・気体・結晶・金属・pH・濃度などです。化学は、計算問題を中心に出題される傾向があるため、計算が苦手な子どもは点数を落としてしまう可能性があります。逆に、計算が得意な子どもは、点数を取りやすいテーマと言えるでしょう。
計算が得意でも、受験本番で焦って計算ミスをしてしまわないように、日頃からたくさんの計算問題に取り組んでおくことが、化学の勉強で大切なポイントです。
一問の計算ミスで、関連した問題が全て不正解になってしまうことも考えられるため、正確に計算できるように対策しておきましょう。
さらに、近年の中学受験の化学では、グラフを読み解く問題や実験の様子を答える問題が頻出される傾向があります。グラフを読み解く問題は、複雑な計算を求められる場合があるため、同種の演習問題を何度も解いて、対策しておくことが大切です。
実験の様子を答える問題を解けるようにするためには、実際に実験を行い、流れを理解しておくことも大切です。実験することが難しい場合には、動画をたくさん見て、内容を確認しておくようにしましょう。
【生物】中学受験勉強法
植物・動物・人体が、中学受験における生物の出題範囲と言われています。中学受験で出題される生物は、知識を問われる問題がメインです。演習問題より、暗記を中心に勉強して、知識量を増やすことが、中学受験における生物の勉強法でしょう。
暗記できている知識が多ければ解ける問題も増えてくるため、成績アップに繋がります。暗記できていない部分を確認して、すぐに覚えるようにしましょう。
暗記をするためには、参考書や教科書を何度も読んで、書かれている内容を全て把握することが一番です。
暗記が苦手な場合や、参考書や教科書を読むだけでは覚えることができない場合は、図や写真などを組み合わせて、理解しやすいように工夫して、取りこぼさないようにしましょう。
また、難関校や中堅校では、受験生の差を確認するために、細かな知識を問う問題や見たことがないような変わった問題が出題されることがあります。
難関校向けの参考書や問題集を解いて対策しておくことも大切ですが、図鑑などを見て自然に知識が定着するようにしておくことが大切です。
【地学】中学受験勉強法
中学受験における地学の出題範囲は、天体・天気・地層・河川などです。中学受験の地学では、暗記と原理の理解の両方が必要になります。
地学では覚えることがたくさんあり、用語だけを単純に暗記して乗り越えようとする人も少なくありません。しかし、用語だけを暗記しても、原理が関連づけられていなければ、問題を解くことが難しいです。
例えば、地層であれば、地層の種類を覚えるのではなく、化石、当時の環境などを関連づけて頭に入れておかないと、問題を解くことが大切です。語呂合わせなどを利用して、用語と原理を関連づけて簡単に覚えられるように工夫しましょう。
また、天体は、地球からと宇宙からの二つの視点からの見え方を意識し、理解を深めることが大切です。二つの視点を意識することで、地球・月・星・太陽、それぞれの動きを把握でき、問題をスムーズに解くことができるようになるでしょう。
さらに、天体は図を描いて理解することも忘れてはいけません。頭の中で思い描くだけでは、ミスをしてしまう可能性があります。図を描いてミスをしないようしましょう。
中学受験における理科の勉強におすすめの参考書
中学入試まんが攻略BON!水溶液・気体・ものの燃え方
中学受験で頻出される水溶液・気体・ものの燃え方に関する知識を、まんがを通して理解できるように作成された参考書です。
「基本例題で確認」「入試問題に挑戦」「ハイレベル総合問題」が掲載されているため、インプットからアウトプットまで1冊で完了できます。
特進クラスの理科 難関・超難関校対策問題集
難関校や超難関校の入試問題を徹底分析し、系統的な学習ができるように、出題傾向に合わせて内容を9つの単元に分けて掲載した参考書です。
「難関校レベル」「超難関校レベル」分かれているため、自分の志望する学校のレベルに合わせて効果的な学習ができます。
小学高学年自由自在 理科
高学年で学習する理科から中学受験で頻出される内容までを、丁寧に解説した参考書です。
オールカラーで、教科書や塾のテキストで扱われていない図表や写真が豊富に掲載されているため、学習を楽しく進めながら、これまで学んだことをより深く理解できる参考書となっています。
中学入試よくでるランキング理科
日能研が近年の中学受験で出された問題を分析し「よくでる単元ベスト10」を集計して構成された参考書です。
「よくでる順に」学習することができるため、短期間で効率よく知識を身につけていくことができます。受験直前の学習に役立つ参考書と言えるでしょう。
中学受験当日のポイント
適切な時間配分
どのような試験も、満点を取らなくても合格はできます。合格したいのであれば、合格点を取ればいいのです。受験では、満点を取ることよりも、確実に点数が取れる問題を解いていくことを意識することが大切です。
基礎をしっかり固め、基礎問題や応用問題で確実に点数を取れるようにしておきましょう。
中学受験当日は、解ける問題に時間を使い、応用以上の難しい問題や解けない問題には、無駄な時間を使わないことがポイントです。
難しい問題に時間をたくさん使い、正解できる問題に時間を割くことができないと、得点を伸ばすことができなくなってしまいます。取りこぼししてしまうのは、非常にもったいないです。
受験本番では、上から順番に問題を解いていく必要はありません。問題を一通りチェックして「解けそうな問題」「無理そうな問題」を瞬時に判断して、解けそうな問題を解きましょう。
解けるか解けないかの判断は、受験本番でいきなりできるものではありません。練習が必要です。入試と同じような状況を作り、問題を見て解けるか判断し、確実に点数が取れる問題を解いていけるようにしておきましょう。
集中力の持続
受験当日は、頭も体もガチガチに緊張して、集中できない可能性があります。集中できないと実力を出すことができないため、受験当日は、リラックスして集中力が持続できるようにしておきたいです。
自分なりの集中力の高め方がある場合には、それを実践しましょう。もし、集中力を高める方法が分からない場合は、以下で紹介するルーティンをぜひ実践してみてください。
問題用紙が配られたら、まず、深呼吸を3回ほど行い、背筋を伸ばし、姿勢を正します。肩の力を抜くために、肩を上げてストンと下すことを3回ほど繰り返しましょう。肩の力が抜けたら、目をつぶり、試験開始まで心を落ち着けます。
模試などで、このルーティンを習慣づけるようにすると、受験本番も集中力が持続できるでしょう。
まとめ
中学受験における理科は、暗記で対応できる教科と思われがちですが、用語を覚えるだけでは応用が利かず、対応できません。中学受験に向けた理科の勉強では、暗記と原理の理解が必要です。
インプットとアウトプットをセットにしたり、図と文章を合わせたりして、用語を暗記するだけでなく、原理を理解するようにしましょう。
また、テーマごとに勉強法を変えることも大切ですから、テーマごとに勉強法を実践して、中学受験に備えましょう。