中学受験における親の役割・できることとは?成功・失敗する特徴や行動について解説!

「中学受験を控えている子どものために親ができることは?」
「受験生に対して親がやってはいけない行動とは?」
このように、中学受験を控えた子どもを持つ親にはたくさんの疑問があるのではないでしょうか。


この記事では、中学受験における親の役割や逆にやってはいけない行動について紹介します。


この記事を読むことで、中学受験を控えた子どものサポート方法や、NG行動について把握できるため、子どもへの接し方に不安がある方でも安心してコミュニケーションが取れます。


中学受験を控えた子どもがいる方は、是非この記事をチェックしてみて下さい。

中学受験における親の役割

信頼できるサポーターになる

中学受験を控えた年頃の子どもは、まだまだメンタル面で不安定な部分があります。子どもによっては遊びたい気持ちが強かったり、試験に不合格になってしまった場合を想像してしまったりと、様々なタイプがいるでしょう。


子どもが抱える悩み、子どもを心配する親が抱える悩み、それらを解決するために一番身近にいる親や家族にできることにはどのようなものがあるのでしょうか。


大切なのは、志望校合格の目標を達成するために、子どもにとってもっとも信頼できるサポーターになることです。分からないところがあったら一緒に考え、悩みがあったら相談に乗り、受験勉強に迷いなく打ち込めるように全力でサポートしてあげましょう。


受験勉強するのは子どもですが、集中して勉強できる環境づくりは親の協力なくしてはできません。そのため、毎日の食事やスケジュール管理といった生活面から、学校からのお知らせなどの細かなプリント類の整理まで手助けしてあげることが重要です。


親が率先して行動することで子どもも安心して受験勉強に取り組めるため、相乗効果で志望校合格の目標に向かえるでしょう。

子の成長をサポートする

中学受験の時期の子どもは心身の成長も著しく、自己意識が強まる第二次反抗期が始まる場合があります。それによって大人の言動に対して反抗的になり、理由もなくイライラするなどの特徴が出てきます。


中学受験を控えた子どもを持つ親にできることは、子どもの話をよく聞いて考えを認めてあげること、そして子どもが自主的に勉強に取り組めるように促すことです。


将来に不安を感じて戸惑う気持ちから衝突することもあるでしょうが、過去の話をぶり返したり、人格を否定したりするような叱責はしないようにしましょう。


子どもが勉強に打ち込めるよう、全般的なサポートをしながら成長を見守りましょう。

中学受験で親ができること

中学受験を控えた子どもは、親が思っている以上にメンタルにストレスを抱えていたり、逆に受験について全く興味がなく何も考えていなかったりと様々なタイプがいます。


ここでは、中学受験で親ができることについて詳しく紹介します。

生活習慣・スケジュールの管理

学年が上がると勉強する範囲が広がり、予習・復習などを始めとした学習量も多くなってきますが、それに合わせて夜中まで長時間勉強するようでは生活リズムが狂ってしまいます。


学校の授業に集中できなかったり、夜中に目が冴えて十分な睡眠が取れなかったりなど、夜型の生活に慣れてしまうことがあるでしょう。


それによって生活バランスが崩れて脳や身体に悪い影響を与えるだけでなく、肝心の受験勉強が進まないといった悪循環に陥ることだけは避けなければなりません。


そうならないためにも、健康的で規則正しい生活を心掛けるよう声かけし、食事やスケジュールの管理をサポートしてあげましょう。


大切なのは親だけでなんでも決めてしまうようなことはせず、きちんと話し合って適度に気分転換できる時間を設けたり、ご褒美として好きな食事メニューを用意してあげたりするといいでしょう。

受験に備えて志望校・塾の情報を調べる

小学生にとって中学受験は初めての経験なうえ、受験する学校がどこにあるのか、どのぐらいの人数の生徒が通っているのか、卒業したらどのような進路の選択ができるのかといった基本的な情報すら知らないこともあります。


実際に中学受験するのは子どもですが、必要な情報収集の全てを学校側に押し付けているようでは受験生を持つ親として協力的とは言えません。


また、子どもだけで中学受験に必要な情報を調べることも難しいでしょう。なにより受験勉強に差し支えるため、受験に備えた志望校や塾の情報は親が責任を持って調べる必要があります。


見学会があれば都合をつけて出席し、入試の日程や合格率に定評のある進学塾の情報、同じ受験生を持つ親と交流しての情報交換など、できることは数多くあるため、積極的に行動することで子どもの支えになるでしょう。

メンタルサポート

どの世代でも受験はメンタル面へのプレッシャーが大きく、実際に受験を経験してきた方も苦労したことがあるのではないでしょうか。


「まだ1年ある、まだ半年ある、まだ3ヶ月…」と、受験の日程が近づいてくるほど自信がなくなって焦りがつのる気持ちは誰にでもあるもので、それが小学生なら尚更、耐えきれないほどのストレスを感じてしまうこともあるでしょう。


そのような不安な気持ちを一緒にいる親が汲み取ってケアしてあげることで、メンタルが安定して受験勉強にもいい影響を与えられるようになります。


また、親に心配させないように我慢したり、無理したりする子どももいるため、見た目に変化がなくても内面では悩んでいる場合があります。そのため、定期的に親子で会話する時間を作るようにしたり、一緒に外出できる機会を設けたりして気分転換するといいでしょう。

プリントや資料の整理整頓

限られた時間をできるだけ勉強時間に使わせてあげるためにできるサポートには、どのような方法があるのでしょうか。


その方法の一つとして、塾や学校で受け取ったプリントや資料の整理整頓の手助けをすることが挙げられます。当日持ち帰ってきたプリント類を全て決まった場所に提出できるよう、専用ケースを用意するなどしてみましょう。


ポイントは必要なプリント類かどうかに関係なく全て保管しておくことで、後で急に必要になった場合でも取り出せるため安心です。また、兄弟がいる家庭でも個人ごとに収納ケースを用意することで、プリント類が混ざってしまう心配をなくせます。


収納ケースへの入れ方も、また学校で使うもの、とっておくもの、お知らせ・連絡用とカテゴリ分けして保管しておくことで必要なものがすぐ取り出せるようになるため便利です。

強制せずに勉強を習慣化させる

日頃から行っている着替えや入浴、登校の身支度といった行動は「習慣」と言い、日常生活において繰り返し行ううちに当たり前になっていく行いのことを表します。


机に向かうことを習慣化することで、今までわざわざ行っていた勉強が少ない心的努力で行えるようになり、毎日繰り返せるようになります。


そのようにして勉強を習慣化するためには、時間や内容を決めることがポイントです。その時間を当たり前にすることで、「やらないと気持ちが悪い」と思えるようになるでしょう。


最初のうちは机に向かわせることが大切になるため、時間を短めに設定したり、好きな教科や得意な教科を課題にしたり、簡単な問題をこなす内容にしたりといった工夫が必要です。


とにかく根気強く声かけして、毎日少しずつでも勉強する習慣が身につくようにサポートしてあげましょう。

モチベーションを与える

モチベーションの有無で受験勉強の効率に差が出てくるのは容易に想像できるところですが、親が子どもにできるモチベーションの与え方にはどんな方法があるのでしょうか。


まずは勉強する目的を明確にして、どうして勉強する必要があるのかを具体的に伝えることが重要です。


次に、中学受験に合格したときと不合格になってしまったときを想像させ、どのような展開になるか鮮明にイメージさせましょう。最悪な状況を避けたいと思う気持ちから受験勉強へのモチベーションにつながる可能性が期待できます。


そして、どのような些細なことでも本人の努力が見られた場合は褒めてあげることもモチベーションを上げるためには効果的です。


また、短期的な目標を設けてあげることもモチベーションの向上につながるため、今何をすべきか明確にアドバイスできるといいでしょう。

適性にあう目標設定をする

最初からあまり高すぎる目標を設定しても、なかなか実現は難しいという理由から努力を怠ったり、勉強に身が入らなかったりするため、現状を理解したうえで子どもの実力や適性にあった目標を設定してあげましょう。


手が届く範囲に目標があると本人のモチベーションにつながりますが、その気持ちを持続させるためには、短期的な目標と長期的な目標を設定してあげることがポイントです。


また、目標を達成できる人の特徴として「常に改善・効率化を考えられること」が挙げられることから、子どもが自主的に目標を設定できることも重要です。


さらに「行動力があること」も大事で、良いと思ったことをすぐ試せる行動力は、前述した「常に改善・効率化を考えられること」と組み合わせて習慣化させることで、どんどん目標達成というゴールへ近づける強みになります。

分からない箇所は一緒に解決する

学校や塾では担当の教師や専門の講師がいるため、分からない問題があったとしてもすぐに質問して解決できる環境ですが、もし自宅で同じような場面になった場合は親が一緒になって解決することも大切です。


ほとんどの親は教師のような専門的な知識がないため、必ずしも的確な内容の指導ができるとは限りませんが、「親と一緒に解いた、考えた」という共同作業は思い出のように記憶に残りやすいものだと言えるでしょう。


そのため、そこで問題が解けなかったとしても後からの復習で「あのとき一緒に解いた問題だ」という記憶から取り組めるようになるため、苦手だった科目でも少しのきっかけで得意になる可能性が期待できます。


このように、分からない箇所があっても一緒に解決、または考えることは受験勉強にとってプラスになるため有効です。

中学受験に成功する親の特徴

親が自分の子どものことをどれだけ理解しているかは、中学受験の成功率に大きく関わってきます。中学受験に成功する親には、どのような特徴を持ったタイプが多いのでしょうか。


ここでは、中学受験に成功する親の特徴について詳しく紹介します。

子どもをよく見ている

子どもに全く関心や興味がない親は、子どもの小さな変化や表情の違いに気づきにくく、問題が起こってしまってから大変な思いをしたり、取り返しのつかない状況になってしまったりする場合があります。


心身共に成長期に差し掛かっている受験時期の子どもは、メンタル的に大人になる途中の不安定な状態にあるため、家族からの何気ない言葉にストレスを感じたり、迷いが生じたりすることも珍しくありません。


そのため、普段から子どもの行動や話す内容、表情に気を配るようにして、成長の変化を見逃さないようにしましょう。学校や友だち、将来などの話をすることで悩みを相談しやすい環境づくりをしてあげることは中学受験に成功する親の特徴です。


また、受験勉強に支障をきたすような問題を発見したらそのままにせず、本人が納得できるように早期解決に向けて行動してあげましょう。

子どもの可能性を信じている

最終的な目標は志望校に合格することですが、そのために受験勉強を頑張れること、計画性を持って受験に臨めることも含めて信じてあげることが重要です。


試験本番までの長い期間には、思い通りにいかないことや、成績が伸び悩むこともあるでしょう。そういった場合でもイライラをつのらせて叱ってはいけません。


どこに問題があるのか、なぜ成績が上がらないのかといった原因を一緒に考えて改善を積み重ねましょう。そのように、子どもを信じていることが伝わるようなコミュニケーションが取れるとモチベーションアップにつながります。


また、口だけで「信じている」と言うだけでは効果が期待できるどころか、かえってプレッシャーを与えるだけで逆効果になってしまう可能性があるため、場合によっては陰ながらサポートすることに専念して見守ることも大切なポイントです。

必要なときに周囲の協力を仰げる

中学受験において子どもをサポートすることは当然ですが、その全てを親が担当しなければならないとは限らず、場合によっては周囲に協力を仰げる関係性を築いておくことも必要です。


例えば、志望校の情報を得る場合は学校や塾から対策や傾向を教えてもらった方がより詳細に把握でき、学習環境においても自宅ではカバーしきれない部分を受験に特化した勉強会などに参加することで補えます。


このように、専門的な知識や経験が必要になる情報は、親が個人で解決しようとせずに専門家を頼りましょう。また、そういった専門家にいつでも質問できる環境づくりができることは中学受験に成功する親の特徴です。


経験豊富な専門家にサポートしてもらえる環境があることで適切にアドバイスしてもらえるだけでなく、安心して中学受験に臨めるメリットがあります。

子どものために何ができるか把握し接している

中学受験を控える子どもに親ができることには、どのようなことがあるでしょうか。まずはそれを把握して接することで子どものモチベーションも大きく変わってきます。


子どもに対してサポートする方法が間違っていたり、度が過ぎたりすると、イライラがつのった子どもは親を拒絶するようになるため、子どもの成長を重視したサポートを意識して接するようにしましょう。


目的と手段を取り違えないことが中学受験に成功する親の特徴で、この場合の目的とは「子どもの成長」を表し、手段とは「受験勉強」のことを表します。つまり、「志望校合格のために勉強した経験が子どもを成長させ、将来役立つ」という意味です。


目標は志望校合格ですが、中学受験を通して我慢強さや最後まで諦めずにやり通す力、社会に出てから役立つ経験が身につけられることを重視することがポイントです。

中学受験で親がやってはいけない行動

自分の将来のために日々机に向かって受験勉強を頑張っている子どもにとって、親はもっとも身近にいる一番のサポーターでなければなりません。


ここでは、中学受験で親がやってはいけない行動について詳しく紹介します。

感情に任せて叱責する

中学受験を控えた子どもは、毎日の学校生活と受験勉強の両立だけでもかなりのストレスを抱えています。そこに成績が上がらない、夜更かしをしているなどといったことに対して感情的になって激しく叱責しないようにしましょう。


何かあるごとに怒ることが当たり前になってしまうと、勉強する目的が「志望校に合格するため」ではなく、「親に怒られないようにするため」になってしまいます。


子どもを威圧して無理やり勉強させても身につかず、やりがいを失ってしまうことでさらに成績が下がってしまうため、感情に任せて叱責してはいけません。

他の子と比較する

学校での成績を他の子どもと比較して聞かせることは、本人の受験勉強を頑張ろうとする意欲をなくし、家族の支えや愛情も感じられない行為なのでやめましょう。


「近所の◯◯君はこの間のテストで上位だった」「いとこの◯◯ちゃんは有名な進学校に受かった」といった会話は、たとえ発破をかけるためによかれと思ってした発言だとしても受験生にとってはストレスにしかなりません。


受験は誰かと比較して自慢するものではないことを理解し、応援する立場の家族が子どもにプレッシャーを与えることのないよう細心の注意を払って接するようにしましょう。

子どもに無関心

辛く険しい中学受験は子どもだけのものではなく、家族の協力もなければいい結果につながらないという心構えを持つことが重要です。


受験が個人戦ではなくチーム戦だと言えるポイントにはサポートの有無が挙げられます。受験勉強の進捗具合を共有したり、相談相手になったりといった存在は、いるといないとでは大きな違いがあります。


「一人でもなんとかなるだろう」といった無関心な気持ちでは子どもからの信頼を失って受験にとってマイナスにしかならないため、自分からサポートする気持ちを持って何かできることはないか考えて行動しましょう。

子どもより先に細かく目標を決める

設定した目標を達成できると気持ちが満たされ、次の目標へのモチベーションが湧いてくるものです。その目標を子どもが自分で決めることが大切になるため、親が子どもより先に細かく目標を設定することはなるべく控えましょう。


まずは子どもに目標を設定させて、現実的で達成できそうなものを残して調整してあげることがポイントです。進む方向から速度まで親が子どもの手を引っ張っていくようなやり方は、子どものモチベーションにつながらないため気をつけましょう。


あくまで主役は受験する子どもであり、親は裏方だということを忘れないようにしましょう。

中学受験:親のサポート事例

事例1

メンタル面のサポートが大切になるため、本人が落ち着いた環境で受験勉強に集中できるように、テレビの音量をギリギリまで下げて視聴するようにしています。


また、受験勉強のモチベーションを持続させるために、テストの結果が悪くても気にしないように言い聞かせ、逆に結果が良かった場合はリアクションを大きめにして褒めてポジティブな思考ができるように気をつけました。


毎日話ができるように、朝食・夕食を一緒に食べることも徹底しました。

事例2

朝は学校へ行く前に時間を作って、簡単な漢字の書き取りや算数のドリルをやらせると同時に、コミュニケーションを取りながらメンタル面のケアもしています。


学校や塾の送迎担当は夫、スケジュール管理担当は私と役割を分担することでサポートを無理なくできるようにしました。


また、勉強は難しくて教えられないため学校や塾にお任せしていますが、食事は栄養バランスの良い和食に切り替えて手作りのものを一緒に食べることで健康面もケアしています。

まとめ

今回は中学受験を控える子どもを持つ親の役割や、成功・失敗する特徴や行動などについて紹介しました。悩みや疑問を解決するための参考にしてみて下さい。


まだ保護者の管理が必要な十代の未成年でありながら、人生を左右するほどのプレッシャーと戦わなければならない子どもたちをサポートしてあげることは親の大きな役割です。


学習のモチベーション維持や精神面も含めた健康管理がしっかりできるように、家族一丸となって応援しましょう。

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