「子どもを塾に通わせるのにはいくら必要なの？」
このように、塾の費用について知りたいと思われている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、塾に通っている小中学生の年間平均費用や学習塾の料金を料金表にまとめて解説するとともに、費用を考える上でチェックすべきポイントを紹介しています。

この記事を読むことで、公立と私立でかかる塾代の違いや塾のタイプ別の相場、料金を見るポイントを把握でき、塾の内容と料金が伴っているか正しく判断できるでしょう。

塾の費用について知りたい方、塾の費用の見方が分からない方は、ぜひご活用ください。

【小学生】塾の平均費用

小学生の年間の平均学習塾料金表

小学生の学校外における補助学習では、学習塾、家庭内学習、家庭教師などの方法が取られており、公立校に通う1年生以外は学習塾にかける費用が多くなっています。

下記の料金表を見ると分かるように、学習塾へ1年間に支払う料金の平均額は、公立校へ通う子どもが約5万7千円なのに対し、私立は約22万2千円と高めです。どの学年でも私立が3～4倍多く、6年間で比べると学習塾にかける費用はかなり開きが出てくるでしょう。

学年が進むと、難しくなる学習内容への対応や受験に向けレベルアップを図るために塾での授業回数が増えることから、費用は公立、私立を問わずほとんどの学年で、前学年よりも増加傾向です。

公立校の1年生でかかる費用は約2万5千円ですが、高学年では9万円台まで上がります。私立も4年生を境に金額は上昇していき、4年生で20万円台、6年生では40万円台と右肩上がりです。

よって、どちらも学年が上がるにつれ金額も大きく増えますが、公立より私立の方が圧倒的に高いことが分かるでしょう。

出典：調査結果の概要｜文部科学省
参照：https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/22/1399308_3.pdf

小学生の塾のタイプ別料金表

小学生が通う塾には複数の生徒が一緒に授業を受ける集団指導型と、1対1または少人数で授業を受ける個別指導型があります。

集団指導型は、塾によって組まれたカリキュラムに沿って授業を進めていきますが、個別指導型では1人ひとりが学びたい内容を学習することが可能です。

費用面で見ると、講師1人が担当する生徒数の違いから、集団指導型の多くは個別指導型よりも割安になっています。しかし、理解できているかどうかに関わらず先へ進んでしまう集団学習型の塾は、子どもの性格により不向きな場合もあるでしょう。

また、どちらのタイプにも中学受験に向けて実力を伸ばしていく進学塾と、学校の授業で学んだ内容を定着させる補習塾の2つがあり、目的に合わせて選べます。

いずれも入る時点で入学費が必要ですが、入学金の割引や無料などキャンペーン期間が設けられている場合、期間内に申し込めば入学時の費用が安く抑えられるでしょう。

集団指導型の補習塾は、入学金や授業料が比較的低めに設定されています。中学受験に向けて学習を進める進学塾では、高学年になると授業数が増えるため、その分だけ授業料が増えますが、補習塾はあまり変わりません。

塾によって授業の内容や時間数が異なるため、料金を比較する際は、月額の授業料ではなく、時間数あたりの金額を見て判断しましょう。そのほか、学習を進める上で教材も必要になりますが、教材費が別途でかかるか、授業料に含まれるかもそれぞれの塾で違います。

分かりやすいよう、実際に入会金や授業料、教材費がどのくらいかかるのか、おおよその額を料金表にまとめてみたので、参考にしてみてください。

【中学生】塾の平均費用

中学生の年間の平均学習塾料金表

ここからは、中学生の学習塾にかかる1年間の平均額を見ていきましょう。 料金表から、中学生では公立が平均約20万2千円なのに対し、私立は14万4千円と少なく、公立が私立を上回っていることが分かります。

支払う費用の上がり方は公立と私立とで大きく異なりますが、学年ごとに金額が増えていく点はどちらも同じです。

1年生の頃は私立が若干高めですが、塾にかけている金額はほとんど変わりません。しかし、2年生になると平均額は逆転して公立が約2万円多くなり、3年生では約15万円まで差が広がります。

公立は1年生と3年生とで平均額の差が20万ほどありますが、これは、高校受験や学年があがるにつれて難度が高くなる学習への対策が、必要になるためです。3年生の金額からは、春期講習、夏期講習、冬期講習へも積極的に参加していることがうかがえるでしょう。

私立中は、高校受験対策をする必要のない中高一貫教育を実施している学校が多く、高校のない学校でも受験に対応できるよう教育面に工夫をこらしています。そのため、1年生と3年生で学習塾にかかる費用の差が少ないのです。

出典：調査結果の概要｜文部科学省
参照：https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/chousa03/gakushuuhi/kekka/k_detail/__icsFiles/afieldfile/2017/12/22/1399308_3.pdf

中学生の塾のタイプ別料金表

次に、中学生を対象にした塾をタイプ別にまとめた料金表で、個別指導型と集団指導型の相場が大体どのくらいになるのかを確認してみましょう。料金表は週1回通ったときにどの程度かかるか目安の数字を入れ、比較しやすくしています。

1人ひとりに目が行き届き、細やかに対応できる個別指導型の費用は、集団指導型よりも高くなる傾向が見られますが、年会費や入学金がかからない塾もあるため一概には言えません。

個別指導型では、休んでも別の日に授業を受けられる塾が多いですが、個々の要望に沿って対応していくのが難しい集団塾では、授業の振り替えがきかず、休んだ分を受講できない場合があります。

両タイプとも、ひと月あたりにかかる金額は1週間に何回授業を受けるかによって変わり、回数が多くなればそれだけ費用は高くなります。部活や習い事などと両立していて回数が少ない1～2年生と、高校受験に本腰を入れ週に数回通う3年生とでは、月額料金に差が出るでしょう。

塾のタイプ別のメリット

個別指導、集団指導は授業の受け方以外にも異なる部分がたくさんあります。 どのようなメリットを得られるかをあらかじめ知っておくと、お子さまに合うタイプを見つけやすくなるでしょう。

例えば、控えめな性格で他人と競うのが不得意、大勢で一緒に学ぶとやる気が出るなど、タイプが違えば選び方は変わってきます。

個別指導型は、少ない人数で指導を受けられるため講師へ質問をしやすく、1人ひとりの速度に合わせて学習を進められたり、分からない部分がなくなるまでしっかり教えてもらったりすることが可能です。学校の授業で理解できなかった内容や、苦手教科の克服にも役立ちます。

また、集団指導型のようにクラスごとに曜日や時間が決められておらず、希望に合わせて日程を調整できるため、部活や習い事との両立も叶うでしょう。また、講師とお子さまの相性が合わない場合に変更できる塾が多いのも、個別指導型ならではのメリットと言えます。

一方の集団指導型は、塾側が組んだカリキュラムどおり授業が進められていくため、学習の速度を維持できます。予習復習をしながらしっかり授業についていけば、受験に間に合うよう成績を伸ばしていけるでしょう。

塾によっては、テスト成績がランキング形式で発表されるなど、競争心を育みやすい環境が整っています。複数の生徒と競いながら勉強することで、学習に対するモチベーションを維持できるほか、講師との距離も程よく保たれ、引き締まった気持ちで学習に臨めるでしょう。

夏期講習、冬期講習にかかる費用

夏期講習や冬期講習は、各塾によって開催期間や授業数が異なることから、かかる費用を知るには参加する塾への確認が必要です。

小学6年生夏期講習の相場は進学塾で約10万～約20万円、冬期講習は約5万円～約7万円で、補習塾は夏期講習、冬期講習どちらも約2万～約5万円となっています。

中学校3年生の夏期講習の相場は個別指導型で約10万～約20万、集団指導型は約10万円で、冬期講習の場合も個別指導型は集団型よりも費用相場が高めです。

塾以外で必要な学習費用

補助学習費の区分は塾のほかに、家庭教師等の費用と家庭内学習費が含まれています。 家庭教師はメインで利用している場合と、ハイレベルな集団指導型進学塾に通いながら、塾での成績アップを目指し併用しているケースもあるでしょう。

家庭教師等へ年間に支払う費用の平均額は公立小学校で約9万4千円、私立小学校で約3万1千円です。中学生も公立は約1万8千円、私立が2万4千円と公立に比べ私立で多くなっていますが、どちらも最終学年で増える傾向にあります。

家庭内学習費は公立、私立共に、学習塾や家庭教師等にかける費用が少ない小学校1年生ですでに、ほかの学年よりかなり多めです。公立の年間平均額は小中どちらも1万4千円台ですが、私立小学校は約4万5千円、私立中学校で約3万円と2倍以上差が見られます。

費用を考えるときのポイント！

教材費はいくらかかるのか

授業で使う教材もさまざまで、学校教材や市販の教材を利用している塾と、オリジナルの教材が用意されている塾があります。

独自の教材を使う塾では、教材費が授業料の一部に含まれている場合もありますが、入塾後や各学期の最初などの決められた時期に、別途支払うケースが多いでしょう。

夏期講習や冬期講習に申し込めば、普段の教材とは別に季節講習用の教材も必要になります。 入会金や授業料だけでなく、年間でどの程度の教材費がかかるかも調べておきましょう。

授業時間の単価

授業時間は、1コマの設定が中学校の授業時間と同じ50分の塾もあれば、120分と長めの塾もあり一律ではありません。 料金が同じで授業時間が異なる場合は、総授業時間数から1時間あたりどのくらいかかるかを計算すると比較しやすいでしょう。

但し、子どもによっては集中できる短い授業で、効率良く学ぶ方が向いている場合もあります。金額だけで判断せず、体験授業を利用して授業時間の中でどのような学習をするのか、授業内容が料金と見合っているか考えてみると良いでしょう。

5週目の授業料は発生するのか

週1回、月に4回通う契約で受講していたときに、5週目があると5回目の料金は月額料金に含まれていないことになります。このように、選んだ曜日やクラスに5週目がある場合の対応は各塾で違うため、注意が必要です。

5週目に関しては、授業を4週目までとし5週目を休みとする塾と5週目の授業料を追加で徴収する塾に分かれます。

5週目が模試や定期テスト直前の授業にあたる場合もあるため、授業の有無や料金についても前もって確認しておきましょう。

補講の追加費用の有無

一部の塾では、定期テストでの得点アップを目指したテスト前の補講や、テスト後に理解できていない部分を克服する補講を実施していますが、追加費用が必要か無料で受講できるかは塾によって違います。

受けられる教科を限定していない塾も見られますが、通常はお子さまが塾で学習している科目の補講のみに限られているでしょう。

月額受講料以外に補講の費用を徴収されると、月々予定している金額を超えてしまいます。補講の追加費用が必要かどうかも最初に確かめておきましょう。

講師の変更は可能か

講師との距離が近い個別指導型の場合、学力を向上していく上でお子さまと講師との相性は重要です。入塾前には、講師の変更が可能か尋ねておきましょう。

講師とのコミュニケーションがとりにくいとき、相談すると無料で変更できる場合がほとんどですが、中には変更時に料金が発生する塾も存在します。

相性の良い講師と出会えるまで何度でも変えられる塾と、変更できる回数が決められている塾があるほか、一定の期間を終えるまで変更できないケースもあるため要注意です。

進路相談を無料で受けられるか

中学受験や高校受験に関するサポート体制も塾ごとに違うため、どこでも進路相談が受けられるとは限りません。進路相談への対応は、受験を意識している進学塾と学習した内容の定着を目的としている補習塾で違う場合があります。

あらゆるデータを分析した結果や、数多くの情報を基に進路相談に応じてくれる塾は心強く感じますが、必ずしも無料で相談できるとは限りません。 受験を目的として入塾する場合は、進路相談が無料か有料かもチェックしておきましょう。

定期面談の回数

塾で行われる定期面談は、お子さまの学習状況を知ってその後の学習方針を決めていく大切な機会です。

定期面談の費用が料金に含まれていても、金額によって面談できる回数は異なる場合があります。 開催回数は塾によっても違い、夏期講習前と冬期講習前の年2回、または1学期ごとに3回行われるのが一般的です。

中には学年やコースで面談回数を変えて対応している塾、希望により随時面談が可能な塾もあるため、はじめに確認しておきましょう。

オンラインコースの有無

昨今のコロナ禍や、緊急事態宣言をきっかけに、それまで通塾だけで対応していた学習塾にもオンラインコースが普及し始めました。講師と直接会わないオンラインコースは、感染のリスクを減らせるため安心して受講できます。

そのため塾選びの際には、都合に合わせて通塾とオンライン授業を切り替えて授業を受けることが可能か、チェックしておくと良いでしょう。 部活動や習い事が忙しく、通塾が難しい期間などに自宅で学習できれば、お子さまの負担を減らせます。

特待生制度があるか

定めた水準に達しているお子さまの入学金や授業料を、全額もしくは一部免除する特待生制度を採用している塾もあります。 特待生になれば費用を抑えられますが、水準によってランク分けされていて、免除される金額が異なる場合もあるので注意してください。

通常は通知表の成績、内申点、全国模試の偏差値、塾独自のテストによって出された偏差値などによって決められますが、条件が成績だけとは限らないため、内容をしっかり確認しておきましょう。

無料で振替授業が受けられるか

個々への対応がしやすい個別指導塾の多くに、振替授業制度が設けられていますが、振替料金がかかるかどうかは塾によります。 また、振替を希望する際は、塾に連絡して振替日を決めますが、いつまでに連絡が必要かも各塾で異なるでしょう。

振替は授業の前日までに連絡が必要な塾と、当日でも対応可能な塾があるため、入塾前には無料で振替可能か調べておくほか、塾へ行けない日に振替が利くタイムリミットも確かめておくと良いでしょう。

まとめ

ここまでの説明で、塾の費用が個別指導型と集団型、進学塾と補習塾ではそれぞれに違いがあることをお分かりいただけたでしょうか。

料金表は相場を知る目安にはなりますが、同じタイプの塾でも対応やサービス内容がまるで異なるため、詳しく調べてみなければ内容に見合った料金設定になっているのか分かりません。

探すときは目的を明確にして、お子さまの性格も考えながらピックアップし、費用に見合うか判断していくと、満足のいく塾を見つけやすくなるでしょう。

記事執筆者 : マナビナビ編集部