- 公開日2022/11/16
- 最終更新日2022/11/16
高校受験に向けた英語の勉強法とは?
これから受験勉強を始める、もしくは英語の受験勉強がなかなか上手くいかないという、中学生のお子さんのために、何かアドバイスをしたいと思う方も多いのではないでしょうか。
また、高校受験は中学校の定期テストとは違う形式や難易度になるため、今までの勉強方法でいいのか不安になる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では高校受験に向けての英語の勉強方法や過去問の使用方法など、詳しく解説しています。学習スケジュールもあわせて紹介しているため、効率的な英語の受験勉強について知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
高校受験で出題される英語の4大テーマ
高校受験に出題される英語には4大テーマがあると言われており、まず「文法・語彙」と「英作文」、そして「長文読解」、最後に「リスニング」です。英語の受験勉強は、この4大テーマを意識して勉強を進めると、効率が上がります。
近年の出題傾向では、リスニングと英作文は単独で出題されていますが、文法・語彙の単独設問はなくなり、長文読解の中に文法・語彙を絡めての出題が増えています。全体での出題比率は、リスニングと長文読解の割合が多いです。
しかしまずは英語の4大テーマに目を向けて、基礎である文法・語彙から段階的に勉強する必要があります。また、そのための学習スケジュールを意識することも重要です。
【高校受験】英語の学習スケジュール
①中学1年生から中学2年生の間
まず、中学1年生から中学2年生の間の学習スケジュールには、基礎固めとして文法・語彙に重点を置きましょう。英語の文法・語彙は、長文読解と英作文には欠かせないものです。もちろんリスニングにも役立ちます。
ここで基礎をしっかりとマスターして、中学3年生に備えましょう。
②中学3年生の夏まで
中学3年生の夏までには、高校受験に必須の文法・語彙はすべて頭に入れるつもりで学習スケジュールを組みます。授業でまだ習っていない単元でも、教科書などを先取りして進めておくと、長文読解に早くから対処できるようになります。
独学に不安がある場合は、進学塾を利用することもいいでしょう。
③中学3年生の9月から
中学3年生の9月からは、長文読解や英作文そしてリスニングを学習スケジュールに組み入れ、仕上げとして過去問を解きます。
特に、高配点の長文読解は勉強に時間がかかります。あまり遅くに始めると受験に間に合わなくなるため、学習スケジュールには注意が必要です。
【英単語】高校受験勉強法
ここからは、英語科目の4大テーマそれぞれの勉強法について解説していきます。高校受験では、基本的に中学校の教科書の範囲から問題が出題されるため、語彙を増やすには教科書の英単語をまずはしっかりとマスターすることが近道です。
具体的な勉強法としては、紙やノートに書いて覚える方法や、単語カードを活用したり実際に声に出したりして暗記する方法もあります。様々な方法を試しながら、効率よく英単語を暗記できる勉強法を身につけましょう。
単語カードを作るコツは、同じカードにアクセントと発音や、似たような単語も一緒に書いてしまうことです。そして覚えた英単語のカードは外してしまいましょう。また、なかなか覚えられない苦手な英単語を集めて一冊のカード集にすると効率的です。
紙に書くだけや、単語カードを目で見るだけでは覚えにくい場合もあるでしょう。そのときは自分で声に出せば、口で覚えることができ、耳でも覚えられます。手を動かして書きながら発音すれば、さらに覚えやすくなるでしょう。
高校受験に必要な英単語が身につけば、今後の長文読解やリスニングにも対応できる準備が整うため、焦らずにまずは正確に覚えることを優先させます。
【英文法】高校受験勉強法
英文法も英単語と同じで、高校受験では基本的に中学校の教科書範囲からの出題となります。授業で習った文法はしっかりと使いこなせるように練習しておきましょう。ただし、出題傾向として文法単独での出題は減少しており、長文読解や英作文で文法知識が試されます。
英文法の勉強法として、まずは文法知識の理解・暗記が最優先で、その後に問題集を解くという順番がおすすめです。英文法の理解や暗記が出来ていない状態では、文法を使いこなす練習が出来ません。
英文法の覚え方は、紙に書いたり、単語カードを利用したり、実際に声に出したりといった、英単語の覚え方を活かすことができます。
そして、英文法の勉強の仕上げには、英作文の問題集などで実際に英文法を使うことで、知識を定着させましょう。この段階で、4大テーマの英作文の勉強もできることになります。英作文に慣れるとスピーキングも上達するため、ぜひ繰り返し勉強しましょう。
できる範囲で構いませんが、ここまでは中学1年生と2年生のうちに日々の学習の習慣にしておくことをおすすめします。論理的に英文法を使い分ける練習を続けることは、大きな力になります。
【長文読解】高校受験勉強法
配点の多い長文読解の勉強法は、過去の入試問題を利用したり、長文読解用の問題集を解いたりすると効率的です。前提として、先に英単語と英文法をマスターしておく必要があります。
英語の長文を読んでいると、わからない単語や理解できない文法につまずくこともあり、そのせいで読解に時間がかかってしまい、試験時間が足りなくなることがよくあります。その対策としては、英単語や英文法の知識を増やしておくことと、長文読解の練習を重ねることです。
過去問や問題集を解く際には、あらかじめ設問に目を通してから長文を読むと、どのような点を意識して読めばいいのか考える練習になります。コツとして、設問の2~3問くらいを大まかに読んでから本文を読む、という解き方を繰り返すことで各設問に集中できるでしょう。
長文読解の設問中には、英単語の並べ替えや空欄を埋めるという形で、英単語や英文法の知識を直に問われることもあります。そのため、英単語を正しく書く練習や、英文法を正しく使う練習も続けておくことがおすすめです。
初めは時間がかかるでしょう。しかし何度も練習することで長文読解の解き方に慣れていきます。焦らず根気よく勉強しましょう。
【リスニング】高校受験勉強法
高校受験でのリスニングは、単に聞くだけではなく、設問に答えるために内容を理解することも必要です。英単語と英文法の知識がリスニングでも活かされます。
勉強法としては、リスニング音源と原稿を用意して、英文を読む・聞くを繰り返し練習し、そして問題の解き方に慣れることです。まずはリスニング原稿の英文を読んで意味を理解してから、音源を聞くと効果的です。
リスニングの練習には、問題集や参考書を買うと利用できるCDやダウンロード用の音源などが適しています。なるべく高校受験のリスニング音声に近いものがいいでしょう。ただ、難易度が高いとスムーズに練習できないため、易しいものから始めます。
また、長文読解と同じように、リスニング問題でも先に設問の内容をある程度理解しておくことが大切です。特に、数字や場所など特定の単語がある場合は注意して聞きたいポイントとなるため、音源を聞く前にチェックしておきましょう。
他にも、音源だけを聞いてそのまま紙に英文を書き写すディクテーションという方法や、書き写す代わりに音源を聞いてそのままを声に出すシャドーイングという方法もあり、リスニングの勉強方法としておすすめです。
今後はスピーキング対策も重要
今後は、英語科目にスピーキングテストを導入する流れがあり、対策も重要になっていきます。東京都ではすでに、令和4年度から「中学校英語スピーキングテスト」が始まり、都立高校入試のスピーキングテスト導入へ繋がる予定です。
プレテストでのスピーキングテストの実施方式は、まず1人ずつにタブレットとヘッドホンが用意されました。それらを使用して英文の読み上げ、質問を聞いての応答、ストーリーを英語で話す、自分の意見を話す、という内容です。
そして評価項目には、受験者のコミュニケーション能力や英単語・英文法、発音や会話の流暢さが重視されていました。対策としては、英検を受けて英語面接を経験しておくことがおすすめです。
出典:中学校英語スピーキングテスト|東京都教育庁指導部指導企画課
参照:https://www.tokyo-portal-edu.metro.tokyo.lg.jp/speaking-test.html
過去問の有効な使用方法
過去問で勉強する目的
過去問を使用して受験勉強することの大きな目的は、志望校の入試問題における英語の出題傾向を知ることです。過去問を解くことで、試験問題の分量や比率・試験時間・難易度などがわかり、勉強方法を決めやすくなります。
また、実際に過去問を解くと、得意としている分野と苦手としている分野が明確になります。たとえば、長文読解で英単語や英文法がわからず長文の内容が理解できない場合は、基礎の文法・語彙の知識が不足しているということです。
各志望校に対する過去問の分量の目安
入試の過去問を解く分量は、志望校の場合は目安として5~8年間分、併願校であれば3~5年間分です。
用意する過去問は最新のものを選ぶようにします。高校によっては最新の過去問集1冊に5年間分しかないこともありますが、それ以前の過去問を解きたい場合はバックナンバーを探しましょう。
他にも、公立高校は都道府県によって問題が変わるため、志望校ではない都道府県の過去問を解くことも有効です。また、私立国公立の難関校を志望する場合は、偏差値の近い他の難関校の過去問を解くこともおすすめです。これらの場合は3~5年間分が目安になります。
志望校が多いと、取り組む過去問も増えることになりますが、順番としてはまず第一志望校から始めるといいでしょう。過去問を解くのは出題傾向を知ることであるため、第一志望校の出題傾向をまずは把握することが効率的です。
過去問の理想的な解き方
過去問を使用するときの理想的な解き方は、制限時間を守って本番通りに解くことと、すぐに採点すること、そして重要なのが間違った個所の解き直しです。時間内に解けなかった問題もそのままにせず、別紙に書いて解いておきましょう。
制限時間を守ることで、高校受験本番での時間配分を強く意識することになります。もし時間が大幅に足りないと感じる場合は、いわゆる「捨て問」を解かないという選択肢を選ぶこともできます。
また採点をすぐに行うことのメリットは、問題を解けなかった悔しさが鮮明になることです。さらに、どこで間違えたのか、解く時間が足りないだけだったのかなど、次に繋がるような考え方ができます。
採点が終わった後は、時間内に解けなかった問題もすべて解き直します。おすすめは過去問用の解き直しノートを作ることです。解けなかった問題を集めて、何が原因でミスをしたのかを自分で分析して書きます。
注意点として、その時点での採点結果にはこだわらないことです。過去問で自分の今の苦手分野を明確にし、受験本番に向けて効率よく勉強を進めましょう。
まとめ
高校受験に向けての英語の勉強法を、学習スケジュールや勉強法ごとに解説し、過去問の有効な使用方法もあわせてご紹介しました。ぜひこれらを参考にして、高校受験に臨んでください。
高校受験は中学校の定期テストとは違い、志望校によっては試験問題の難易度がかなり上がります。もし独学では不安を感じたり、最適な学習スケジュールがわからなかったり、さらに詳しい勉強法を知りたい場合は、進学塾を利用することも検討してみましょう。