- 公開日2022/11/16
- 最終更新日2022/11/16
高校の推薦入試とは?試験内容や推薦を受ける方法を徹底解説!
「高校受験で推薦入試を受けようか迷っている…」
「中学校で推薦をもらえる基準は?」
高校受験で推薦入試を視野に入れている人は、多くの悩みや不安が出てきてしまうのではないでしょうか。
本記事では、高校受験における推薦入試の仕組みなどの基礎知識をはじめとして、推薦のもらい方、受験対策についても解説しています。
この記事を読むことで、入試についての注意点や意識するポイントに関する理解が深まり、日常的に推薦入試を意識した勉強や心構えを持つことができるでしょう。
高校受験で推薦入試を受けようか悩んでいる、という人は是非この記事を読んでみてください。
高校の推薦入試とは
高校の受験方式には主に「一般入試」と「推薦入試」の2種類です。公立高校の場合、通常では単願ですが、中には併願が可能な学校もあります。
推薦入試とは、中学校の出願基準の成績を修めた生徒が、学校から推薦される形で受験することを指します。この方式では、中学校が作成した生徒の調査書から、学力試験以外で分かる、生徒の持つ個性や能力、部活動での成果などの活動経験を重視して、評価をします。
推薦入試では、それぞれの高校の学科の持つ特色に、相応しい生徒を選抜するという目的があります。推薦された生徒が、学校の求める生徒像に相応しいかどうか、提出された調査書や、面接を行うことによって判断されます。
一般入試との違い
推薦入試と一般入試は、合否の評価基準と受験する時期が違います。
まず一般入試とは、学力試験を受けて、その点数と内申点との総合点で合否を決める方式です。私立高校では例年1月下旬〜2月下旬、公立高校で例年2月上旬〜3月上旬に行われます。
一方推薦入試では、内申点が評価の50%ほど占めており、それに加えて面接や集団討論、作文や小論文の点数を加算して合否の判断をします。推薦入試は一般入試よりも、早い時期に実施されることがほとんどになります。
また、推薦入試は試験当日に学力試験が行われない場合も多いです。このとき部活動などの実績があると、内申点に加算され、入試の合否に有利になることがあります。
特色選抜・自己推薦入試との違い
推薦入試や一般入試の他にも、特色選抜や自己推薦入試といった受験方法もあります。
推薦入試と特色選抜とでは、受ける試験の内容が変わってきます。
特色選抜とは各高校により基準が違い、選抜方法も高校によって様々です。進学校ほど学力試験結果を重視する傾向にあります。
学力試験の他にも面接、小論文、実技検査、自己表現の中から1つ以上と併用して行われます。推薦試験に比べて、この方式を実施しない都道府県も多いです。
一方自己推薦入試と推薦入試では、学校長の推薦の有無の違いになります。自己推薦入試は学校長の推薦なしで出願できますが、自分の力だけで自身を推薦する必要があるため、合格するのは簡単なことではありません。
高校の推薦入試の種類
高校受験で行われる推薦入試には、いくつか種類があります。早めから対策をしておくべきものもありますので、順にみていきましょう。
一般推薦
まず一般推薦の入学試験では、主に面接や集団討論、作文・小論文などの科目が行われます。このとき、多くは学力試験を行いません。合否は内申点と試験の点数を合計したもので決まるため、特に集団討論や作文などはしっかりと対策を立てておくことが大切です。
また内申点の割合が5割までと決められていることが多く、この内申点と試験の出来の両方が良い結果であることが求められています。どちらか片方が悪いと合否に響く可能性があるので、どちらもまんべんなく対策しておくとよいでしょう。
試験を受けるよりも前に、推薦試験を受けるためには中学校長からの推薦が必須になります。
それぞれの学校の指定されている基準以上の内申点を取っておかなければいけません。内申点が足りなくて推薦してもらえないことがないように、推薦入試を視野に入れている人は、特に注意しておきましょう。
内申点が不安な方は単願(専願)をするのも1つの手です。ですが、こちらは他の高校の一般入試を受験できないため、選択するには十分に考える必要があります。
特別推薦
一般推薦とは別に特別推薦という方式もあります。特別推薦の中にも一芸推薦、スポーツ推薦の2種類で分けられています。
どちらも主に部活動などの文化活動・スポーツ分野の成績を生かして出願できる入試方式です。推薦基準は高校により異なりますが、学力ではなく、文化やスポーツでの実績が必須になります。
一芸推薦は、美術や音楽などの文化的・芸術的な活動で実績を残している生徒が出願できます。
評価する分野は高校によりますが、こちらで出願するには全国レベルで入賞しているなどのレベルの高い能力や実績が必要です。実績がないと出願すらできない場合もありますので、注意しましょう。
スポーツ推薦は生徒の持つスポーツ分野の技能を評価する入試方式です。中にもスカウト型や選抜型、自己推薦型の3種類に分けられます。評価するスポーツは学校によって様々です。
自分の行きたい高校と自分の取り組んでいるスポーツの分野が活かせるかどうかは、よく確認しておきましょう。
高校の推薦入試の試験内容
ここでは一般入試で行われる試験内容について、深く掘り下げていきます。推薦入試は対策しておくことが多いのでしっかりチェックしましょう。
個人面接
多くの推薦入試で行われる個人面接は、受験生1人に対して試験官が1〜4人程度の、対面が主な形式です。
ここでは志望動機や高校に入学したらやりたいことなど、聞かれる質問にパターンがあります。面接では、人柄や相手に分かりやすく説明できるかどうかなどもみています。本番で緊張してしまっても安心できるよう、早い時期から何度も練習を重ねておくことをおすすめします。
集団面接
集団面接は、個人面接と違い複数の受験生を数人の試験官で面接する方式です。主に受験生の数が多い学校で行われます。他の受験生と同じ質問であるときと、それぞれ違う質問をされるときもあります。
他の受験生の回答と被ってしまうときもあるかもしれませんが、自分の考えをはっきりと試験官に伝えることが大切です。
また、一般入試に行なわれる面接よりも長く行なわれることも多いです。よく聞かれやすい質問について、回答をしっかり考えをまとめたり、学校でたくさん練習をしたりして対策をしましょう。
小論文
推薦入試では、作文や小論文を課す学校も多いです。こちらで題材とされる問題は時事関連のものが問われやすくなっています。推薦入試を受験する生徒は普段から新聞やニュースを読み、話題に触れておくことが良いでしょう。
練習で書いた作文や小論文は必ず先生に添削を頼むようにしましょう。添削してもらった部分に注意しながら、次回以降に意識して書くことがポイントです。
高校の推薦入試の合否基準
高校の推薦入試での合否は、主に内申点(調査書)が約50%、面接が約25%、作文・小論文などが約25%ぐらいの比率で判定されていると言われています。
面接や作文などの対策も大切です。だからといって普段の勉強を怠ると成績に響いてしまう恐れがあります。定期テストなどをはじめとした授業態度や、日々の生活態度にも気を配るようにしましょう。
推薦入試に向いている学生とは
では推薦入試を受験するのに向いている生徒はどんな特長でしょうか。受験を迷っている人は是非参考にしてみてください。
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーションを積極的に取ることができる生徒は、推薦入試で行なわれる面接や集団討論などで能力が発揮できるため、とても向いています。
明るくハキハキと受け答えができると面接官からの印象も良く、自分をアピールすることもできるでしょう。また、集団討論などでも進んで発言ができることができると、リーダーシップがある、場をうまくまとめることができる能力があると面接官に伝えることができます。
行動力がある
何事も挑戦しようと、自ら行動できる生徒も推薦入試に向いています。部活動を一生懸命取り組んで成果を得られていると、学校長からの推薦をもらいやすくなります。
また、部活動以外の活動も判断基準になります、学校活動外のボランティア活動などに積極的に挑戦し、結果を残している生徒は、行動力を評価してもらいやすいため、そういう生徒にはおすすめの入試方式です。
もし今何か続けていること、頑張って取り組んでいることがある人は、結果を残せるよう挑戦し続けると良いでしょう。
学力が足りない
目指している志望校があって内申点はいいが、当日の試験が不安だと感じる人もいるのではないでしょうか。そんな人にも推薦入試はおすすめです。
一般入試と違って推薦入試では多くの場合、学力試験は行いません。当日の学力試験が心配な方は、推薦入試を検討してみるのも1つの手段です。
ただし、推薦入試で合格するには内申点が基準以上ないと難しいです。あまりに低すぎると、そもそも中学校から推薦をもらえない可能性もあります。毎日コツコツ勉強することは意識しましょう。
何度も試行錯誤する
先生から小論文などで受けた添削や、面接指導でもらったアドバイスを素早く改善できる生徒も推薦入試に向いています。
面接や作文などは一朝一夕で身につくものではありません。もらったアドバイスをもとに、よくない点を反省し、すぐに次に向けて改善をする。これを続けることで面接や作文などの推薦入試特有の試験に対応できる力がつくからです。
1人で黙々と勉強を続けるのとは違い、面接練習などは他者からのフィードバックが必要になります。アドバイスを真摯に受け止められることも大切です。
推薦入試に向いていない学生とは
では反対に、推薦入試に向いていない生徒とはどんな人でしょうか。気になる方はこちらもチェックしてみましょう。
落ち込みやすい性格
落ち込んでしまいやすい生徒には、推薦入試は厳しいと言われています。
推薦入試で不合格になってしまう可能性も、当然ですがあり得ます。気持ちの切り替えができず、一般入試の試験対策に手がつかなくなってしまい、一般入試でも失敗してしまう恐れがあるからです。
気持ちの切り替えがあまり得意でなかったり、結果にショックを受けやすかったりする人は、推薦入試を受験するかどうかを改めてよく考え直してみてください。
中には一般入試が本命であり、推薦入試を受けることで合格できるチャンスが増えると考える人もいます。ですが、予行練習のはずの入試で失敗して落ち込んだまま、本命の入試を受けることになるかもしれません。当てはまる人は受験を再検討しましょう。
内申点が低い
内申点が低い生徒は、そもそも学校長からの推薦がもらえず受験ができない可能性があります。まず推薦入試を受験するには、それぞれの中学校で定められた内申点の基準値が存在します。
それを設ける理由として推薦される生徒は、その中学校の代表として受験するという形だからです。代表として出すからには成績の良い人を学校側も推薦する、ということです。
前述しましたが、推薦入試の配点は50%ほどを内申点で占めています。例えたくさん面接練習や小論文の対策をして、それらでよい結果を収めることができたとしても、その約半分は内申点で判断されてしまいます。
練習を無駄にしないためにも、推薦入試の受験を希望する生徒は内申点を高くもらえるようにまずは対策を進めましょう。
高校の推薦入試を行う手順
続いては、推薦入試を受けるにあたっての手順について説明していきます。受験を希望している生徒はこちらでよく確認しておきましょう。
先生への相談
まず自分の学校の先生に、推薦入試を受験したいと伝えましょう。
推薦入試を受験するには学校長の推薦が必要になります。推薦をもらうことのできる条件が設けられているので、自分の学校の基準を先生に相談してみましょう。
早くその意思を伝えておけば、内申点や出席日数など基準値を意識して生活することができるようになります。
内申点が基準値に満たしていないと推薦入試を受験したくても、学校側からの許可がもらえないこともあるので、推薦を視野に入れている人は早いうちから聞いておきましょう。
また自分の受験したい志望校によっても評価基準が3年生の成績のみか、1年生から評価されるのかが異なっています。こちらも学校の先生や塾の先生に確認してもらうようにしましょう。
推薦書の記入
推薦入試を受験する上で、推薦書を書いて高校に提出することになります。自己PR文などを提出する高校もあるので、受験する志望校で提出するものはどういうものかあらかじめチェックしておくとよいです。
自己 PR文では将来の目標や、高校の志望理由、入学したらやりたいことなど高校生活に関することや、これまで中学校でしてきたこと、頑張って取り組んできたことなどを記入するようにしましょう。
あくまで、この自己PR文は面接などの参考資料に使われることが多いので中学生らしく書けば問題はないです。
また多くの学校では、先生が推薦書を添削してくれます。テストなどとは違い、間違いがあれば書き直すことも、もう一度考え直すことも可能なので、じっくりと考えて書くようにしましょう。
出願
学校を受験するには、推薦入試も一般入試も出願をしなければなりません。公立高校では出願書類は中学校で配布してもらえますが、私立の場合は高校から直接取り寄せる必要があります。
郵送してくれる学校もありますが、下見も兼ねて直接取りに行くのもよいでしょう。直接願書を取り寄せる場合は、配布期間や時間が決まっているので、あらかじめ電話で確認を取ってから訪問するようにしましょう。
出願書類は調査書や志望理由書、自己PR文などを提出しなければなりません。前述した通り、テストではないのでじっくり考えて先生に添削してもらい、丁寧に記入するようにしましょう。
書類を提出する際、持参か郵送のどちらかの方法になります。郵送の場合、期限内必着などのルールがあります。提出がギリギリにならないよう、余裕を持って発送できるように準備しましょう。
高校受験で推薦を受ける方法とは?
次は学校で推薦をもらえるにはどうすればいいかを説明していきます。推薦入試を受ける第一歩になるのでしっかり確認してくださいね。
定期テストの点数を上げる
学校で行われる定期テストは毎回計画を立てて勉強し、良い成績を取れるように意識しましょう。内申点は推薦入試の大事な判断材料の1つで、内申点が低いと推薦入試の合格が大幅に下がってしまう恐れがあります。
また、内申点が低いとそれだけで推薦をもらうことができない可能性もあります。
内申点は主に定期テストの点数によってつけられています。よって定期テストで良い点数を取るためにも普段の授業の予習、復習を意識して勉強するようにしましょう。
面接や作文に苦手意識があったり、当日面接や作文がうまくいかなかった人でも、内申点が高いと、他の受験生に差をつけることができ、受験に非常に有利になります。面接や作文などの練習をする前に、まずは内申点を意識した勉強をすることがとても大切です。
提出物の期限を守る
定期テストの点数はいいのに、内申点は高くないのはなぜか。そういう生徒もいるかもしれません。そういうときは、普段の課題の提出が遅れてしまっていることが響いている可能性があります。
指定されている提出期限があるものは必ず期限内に提出するよう心がけましょう。もし過ぎてしまうと、どんな理由があっても大幅に評価を下げられてしまいます。
期限を忘れないように、カレンダーなどにメモを残すなど工夫をして期限を守るようにしましょう。
また期限内に出してあったとしても、提出物の質が悪いと評価を下げられてしまう恐れがあります。ワークの答えの丸写しなどはやめ、自力で取り組むようにしましょう。
課題として出されているものも自分の身になるものばかりです。普段の勉強と考えて課題にはしっかり取り組み、期限内に提出できるようにしましょう。
授業にしっかり取り組む
当たり前のことですが、普段の学校の授業にもしっかり取り組むようにしましょう。テストや提出物はしっかりやっていても授業態度が悪いと、成績が上がらない場合があります。
姿勢が悪いと、授業を聞いていても先生からみるとやる気がないとみられてしまうかもしれません。最悪の場合、寝ていると思われてしまうと評価は大きく下がってしまいます。授業中には背筋を伸ばしたり、相槌を打ったりするとよいでしょう。
また話を聞くだけでなく、ノートもしっかり取っておくようにしましょう。黒板に書かれた内容だけでなく、口頭で言った内容もメモしておきましょう。
その内容が定期テストで問われるポイントになることもあるので、ノートの余白などにメモしておくと見返すときに便利です。ノートを提出する場合もあるので、分かりやすく書いておきましょう。
時事ニュースに関心を持つ
推薦入試の面接で「最近気になったニュースはありますか?」や「今年のニュースで印象に残っているものはなんですか?」などと聞かれることがあります。他にも作文のお題として時事に関連したものが出されることも多いです。
この時普段からニュースをみておけば、このような質問に慌てることなく答えやすくなるでしょう。
さらに、みたニュースから感じた自分の考えをまとめておくことがおすすめです。いざ聞かれたときに深く答えることができますし、自分の知見を広げるきっかけにもなります。
学力試験の社会でも時事問題に関することが出題がされる場合があるので、普段から新聞やニュースを読んでおくとよいでしょう。
高校での推薦入試試験の対策法
高校受験の推薦入試について大まかにみてきました。最後に一般推薦を受験する、特別推薦を受験する上で重要なことについてそれぞれまとめておきます。
一般推薦の対策法
一般推薦では先述した通り、内申点で大きく評価されます。内申点が低いと推薦をもらえる可能性も低くなってしまいます。
ですが内申点だけでも高ければ、他の受験生と大きく差がつくので、推薦入試の合格する可能性が大きく上がります。
推薦入試では多くの場合、学力検査は実施されません。しかし、ここで手を抜いてしまうので気をつけましょう。
内申点アップに直結する、定期テストを中心に普段の勉強に全力を注ぎましょう。また、その上で早いうちから面接練習指導や小論文・作文の添削も行い、推薦入試の対策を万全に進めておくようにしておきましょう。
特別推薦の対策法
特別推薦の中でも大きく2つあり、文化活動を評価する一芸推薦とスポーツ分野の活動を評価するスポーツ推薦があります。評価するものは違いますが、どちらも取り組んでいる活動の成績が主に重視されます。
特別推薦を狙う人は、今自分が取り組んでいる活動に精一杯向き合い、良い結果を残せるようにしましょう。
また一芸推薦では入試の際に、実際に作品を提出することもあります。スポーツ推薦でも学校によって募集しているスポーツが異なっている場合があります。自分の受けようと考えている志望校ではどんな入試を行なっているのかをあらかじめ確認しておきましょう。
まとめ
今回の記事では、高校受験における推薦入試について詳しくみていきました。
少しでも推薦入試への出願を検討している人はまず先生に相談し、自分が今の状態で推薦をもらえるかどうかを教えてもらうようにしましょう。
推薦入試では内申点の高さが合格の肝になります。早く行動すれば頑張り次第で推薦をもらえる可能性が広がっていくので、普段の授業や定期テストに向けてしっかり勉強を重ねて、内申点アップを目指しましょう。